ちょうど「太陽にほえろ!」の松田優作が吐いたセリフの調子でもって、なんじゃこりゃ!!と思ったのは、感動しましたとか、それに類する紋切り型のセリフよりも、これは現在進行形の感覚に通じているな、随分と昔に遡って作られたにもかかわらず、どれもこれもキャラが立ち過ぎているくらいで、時の風化に耐えるどころか未来をも先取りしてやがる、と腹を抱えて笑いたくなったほどなんだ。
慌てて17時閉館のところ16時過ぎに入ったから、時間との勝負で集中して写真を撮ったのだが、そうしたら、 にもかかわらず、いわゆる撮れ高がバンバン上がって、自分でもビックリなのだけれど、それだけ被写体が際立っている証左に他ならないわけで、もう撮っている最中に気付いていたことかも、そして成果の一端に高揚した気分の滲んでいるのが伝わらないものか、と期待せずにはいられない。
信仰に生きる狂信者、そこまで追い込むことが出来るのかいや自分には無理だな、歴史または年月の重み、それはそうだが時は確実に刻んでいて何にでも当てはまるはず、国宝とか世界遺産やら、そんな権威主義に目を曇らされてたまるかという矜持は守りたい、あれやこれやの理由付けが必要ないほどに突き抜けているのは、チームを構成する個々人の創造性が溢れており、単純にそれだけの話で、そのほうが余程サッパリしているかも。
時を超越して感覚の共通することに頭がクラクラしながら、文明は一方向へ進歩するはずなのに、これ以上のものが果たして生まれるのか、ある分野における頂点に達した作品ということで、東大寺に鎮座まします奈良の大仏さんとその愉快な仲間たちは現代を凌駕する出来栄えの芸術なのだと言い切ってよろしく、それが何故なんだという問いかけもまた投げかけてくる。
1ライカというメーカーがあって、平気で100万円オーバーのカメラを売りつけているが、よく、黒の中に黒がある、白の中に白がある、なぞと評されたり、この写真を見てそれがどういうものかを想像してみると、えらく魅惑的に聞こえるかも。
2 航空母艦とは下手な国家よりも強力であると言われるが、この伽藍に安置される仏像群を前にしたら、それになぞらえて目に映るのであり、今にもロケットみたいに宇宙に向かって発射されんとカウントダウンの声が聞こえて来そうだ。
3 静謐の中に佇みながら、怒りの形相で、殺気を漂わせ、鎧兜に身を包む、どう見ても暴力で物事を解決する御仁に見受けられるが、手にしているのが筆と巻物とあっては、この時代における折伏というものが意味するところの覚悟のほどを窺い知れようか。
4 例えば二次元のキャラが三次元の実際とは似ても似つかわなくとも、それはそうであって欲しいという願望が具現したものだから、その意味でリアルと言えよう、この時代に生きた人間の世界観が反映されていると想像してみるのも歴史の醍醐味なのである。
5 修学旅行で来た高校生のガキ共なんだが、そう言えば、自分も確か、ここを訪れたことがあるはず、でも、その時のことは全然思い出せないな、という点で、お前らもどうせそうだろう、まぁこれから精精頑張ってくれたまえ、と何故かしら上から目線になる。
6 何が不満であるのか、生きるのが困難な時代にあって、理不尽な世の中に対する当然の腹立ちに他ならず、已むに已まれぬ義憤に駆られ、内に秘めるエネルギーを解き放つのは、腐敗した社会を引っ繰り返すことで、宗教の根底に怒りがあるのはさもありなん。
7 “木馬”の格納庫における出撃準備の整った“RX-78”であり、ハルマゲンの舞台たる“ア・バオア・クー”の最終決戦を迎えて、“君は生き残ることが出来るのか”なのだが、大真面目な話、宗教とは壮大なる幻想に過ぎないのか、それとも本当にそれは…
8 あれっ、どこか見覚えがあるような、アメリカで目撃された宇宙人にこんなのがいなかったか? まったく奴らときたらヤレヤレってな感じなのだが、見方によっては、仏教の領域を宇宙にまで拡げたのは彼らの無邪気さ故に本質を突いているのかもしれないぞ。
9 土門拳という凄い写真家がいて、神社仏閣を撮った作品が有名であるのだが、それを見て衝撃を受けたのは、小手先の技術そんなものはすぐにも見透かされるものだ、ここはもう直球勝負しかあるまい、という潔さにガーンとヤラれたことである。
10 何食わぬ顔で人間の生活領域に共存しており、まるでインドの牛と同じものを感じたのだが、一応向こうでは聖なる動物として位置づけられており、この鹿どもは一体如何なる由来でもって斯様な事態を招いているのか、考えてみると一寸不思議な気がする。
【終わり】
コメント